最高の3D組織への挑戦。「品質」×「スピード」×「再現性」の実現方法とは?
こんにちは、サイバーエージェントのゲーム・エンタメ事業部(SGE)で3D責任者をしている庄司です。
私が所属しているSGEには、アプリボットやQualiArtsをはじめ複数の子会社が所属しています。それぞれが強みを活かしてゲーム開発をしていて、私たちも横のつながりを大切にしながら、みんなでノウハウを共有し、協力し合いながらヒットタイトルの創出を目指しています。
大規模開発から、Steamやハイブリッドカジュアルゲームまで幅広いラインナップでゲームを開発しています。今回は、私たちが日々向き合っている3D/テクニカルアーティスト(TA)の課題と、それをどうやって解決しているのか、少しだけお話しさせてください。
3D開発の現状と課題
私たちは、スマホゲームでは2Dゲームがまだ主流だった頃から、3D開発に挑戦してきました。スマートフォンという様々な制限があるメディアの中で「3DCGのクオリティをとことん追求しよう」と開発を始めたゲームもあります。かれこれ15年ほど、特定のジャンルに特化して、プロダクトを制作するたびに、開発内容をアップデートしてきました。こうした、長年の積み重ねのおかげで、今では品質の高いものを安定して生み出せる組織になってきたと思っています。
次のステップとして、私たちは「開発の長期化と費用の高騰」という課題に目を向けています。特に、開発の初期段階でモックやファーストモデルの制作に時間がかかったり、必要な体制がすぐに整えられなかったりすると、どうしても開発期間が長引いてコストも上がってしまいます。だからこそ、私たちは今、品質をさらに高めていくことはもちろんですが、この課題に事業部全体で積極的に取り組んでいます。
3つの組織が支える3D開発
この課題を解決するため、各社の中だけでなく、横断組織を立ち上げグループ全体で協力して取り組んでいます。今回はその中から、「3D戦略室」「コアクリエイティブ本部」「3Dラボ」の3つをご紹介させてください。
グループ全体の技術力を底上げする「3D戦略室」
「3D戦略室」は、各社・組織と連携し、SGE全体の品質向上と効率化を推進する役割を担っています。例えば、コスト最適化のためにベトナムに開発拠点を立ち上げ、アセット制作の効率化を図ったり、クリエイティブPM人材を育成したりしています。特定のテーマに絞った勉強会や各社が持つノウハウや成功事例を共有する仕組みも作っていて、グループ全体で技術レベルを高めています。
さらに、エンジニアの皆さんに渡す「夢リスト」を作成中です。これは、クリエイターが抱える課題を可視化して、AIの力と「開発効率と品質の最適化」をミッションとしているエンジニア横断組織「SGEコア技術本部(コアテク)」の力を借りて解決していくという取り組みです。大小問わず課題を出しているので、これからどう形になっていくのか、私自身も楽しみにしています。
少数精鋭で初期設計と最後のブラッシュアップを推進する「コアクリエイティブ本部(コアクリ)」
新規開発経験が豊富なプロフェッショナルが集う少数精鋭のチームです。各社の新規開発を強力にサポートし、プロジェクトの初期段階から関わることで、高品質な設計を確立しています。その後の手戻りを減らし、開発期間の短縮とコスト削減に貢献することはもちろん、最後のブラッシュアップでも、徹底的にクオリティを追求しています。プロジェクトの質を高めるとともに、グループ全体の技術基盤の強化にもつながる、重要な役割を担っています。
汎用性の高いシェーダーを開発する「3Dラボ」
グラフィックスエンジニアとコアクリメンバーが所属する「3Dラボ」では、汎用性の高いシェーダーの開発をしています。今は、私たちが特に力を入れているアニメ調表現「セルルック」の基盤を作っています。これは、各社が共通で利用できるシェーディングシステムで、多様なルックを簡単に試せるように設計されています。作っても使ってもらえないと意味がないので、ラボメンバーがプロジェクトの導入サポートを行うことで、導入ハードルを下げています。今後も「3Dラボ」では、表現力と技術力の両面から研究を積極的に行っていく予定です。
TA領域の現状と未来
私たちの開発を支えるTAチームは、組織としての成長段階にいます。各子会社にTA人材がいて、それぞれが制作の効率化や品質向上、新規開発のサポートを積極的に行っています。現状の課題は、会社を横断した「TA戦略室」のような組織をまだ立ち上げられていないことです。今後はグループ全体で連携を強化し、TAの知見を共有していきたいと考えています。まずは技術的な知識を深め、ゆくゆくは自分で課題を解決するツールを作れるようなTAを育てていきたいと思っています。まさにこれから一緒に作っていくフェーズです。
今後目指していくこと
「3D戦略室」や「コアクリエイティブ本部」といった横断的な取り組みをさらに強化し、SGE全体の3D開発を加速させていきたいと考えています。高品質なゲームを効率的に開発できる体制を確立し、ユーザーの皆さんを驚かせ、感動させるような3D体験を追求していきたいと考えています。
SGEでは現在、3D/TA領域の採用を強化しています。豊富な開発経験を活かして色々なプロジェクトの新規開発に横断的に携わってみたい方も、高品質なスマホゲームづくりを追求したい方も、そして映像業界での経験を活かしてゲーム開発に挑戦したい若手の方も、皆さん大歓迎です。 この記事ではお伝えしきれなかった「どんなプロジェクトがあるの?」「どんな技術を使っているの?」といった疑問は、ぜひ直接お話して解決してください。
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皆さんにお会いできることを楽しみにしています!
