技術書典19にむけて「UniTips Vol.12」と「SGE Go Tech Book Vol.08」を執筆しました!

2025年11月15日(土)〜11月30日(日)に、オンライン・オフラインにて同時開催される技術書オンリーイベント「技術書典19」に、今回も、ゲーム・エンターテイメント事業部(SGE)が参加します!

また、「SGE Go Tech Book Vol.08」と「UniTips Vol.12」は、11月16日(日)11時から池袋サンシャインシティ2階 展示ホールDで開催されるオフラインイベントにも出展いたします。「SGE Go Tech Book Vol.08」は【く16】、「UniTips Vol.12」は【く18】の配置となりますので、ぜひ、ブースにもお立ち寄りください!

本ブログでは、今回執筆した技術書「UniTips Vol.12」と「SGE Go Tech Book Vol.08」の見どころを紹介します!

「UniTips Vol.12」

「UniTips Vol.12」は、下記5章で構成されています。内容は各章ごとに独立していて、Unity初心者の方向けのものから、業務で活かせる技術まで、さまざまなTipsが記載されています。章ごとの概要を紹介します。気になる内容がありましたらぜひ、ご覧ください!

【タイトル】UniTips Vol.12
【電子版】1000 円(税込)
【電子+紙セット】1500 円(税込)
【URL】https://techbookfest.org/product/8mHpXz8LJCKAsLxENJKwaz


第1章: Graph Toolkit入門(サイバーエージェント/向井 祐一郎)

Unity 6.2で登場した「Graph ToolKit」は、Shader GraphやVisual Scriptingのようなグラフベースのエディターツールを開発するためのフレームワークです。
本章では簡単なグラフツールの実装を通じて、「Graph Toolkit」の概要の紹介から独自のグラフツール開発のためのプログラミング、さらにランタイムでの動的なグラフの評価やエラー表示の方法などを解説します。

第2章: Metal4から強化されたMetal Performance HUD のUnity活用術(アプリボット/mao)

Unity プロジェクトでも活用できる iOS 向けのパフォーマンス計測ツール「Metal Performance HUD」と Metal4 で強化された新機能について紹介します。Metal4 からは従来まで計測できた FPS、GPU Time、メモリ使用量などの各メトリクスに加え、Thermal State や Shader Compiler などさまざまなメトリクスをリアルタイムで計測できるようになり、さらに使い勝手も向上しました。本章では設定方法から、コードによる表示制御を実現するためのネイティブプラグインの実装例、さらにパフォーマンスログ機能を用いた活用例を解説します。

第3章: UI TestFrameworkによるUI Toolkit自動テスト事始め(QualiArts/住田 直樹)

Unity 6.3で追加されたUI TestFrameworkを使った、UI Toolkitの自動テスト入門です。Webフロントエンド技術の設計思想を取り入れたUIToolkitは、テストとの親和性が非常に高く、SeleniumやCypressのような本格的なUIテストが実現できます。本章では環境構築から、ボタンクリック、テキスト入力、ドラッグ&ドロップといったユーザー操作のシミュレート方法、EditモードとPlayモードでの実践的なテストパターンまで、GitHubで公開されたサンプルコードとともに紹介します。

第4章: Unity 6で強化されたUI Toolkitの機能紹介(QualiArts/今井 駿汰)

Unity 6で大幅に進化したUI Toolkitの最新機能を、実装コード付きで徹底解説します。エディタとランタイム両対応のデータバインディングシステムから、解像度に依存しないSVGサポート、コードなしで実現できるUSS Filterの視覚効果、そしてShaderGraphを駆使したカスタムシェーダーの実装まで、実践的なサンプルプロジェクトを通じて学べます。3D空間にUIを配置するWorld Space UIの活用法も含め、UI Toolkitの新機能を網羅的に紹介します。

第5章: アニメーションエンジニアのためのConstraint解説(QualiArts/塩塚 勇気)

Unityの6種類のConstraintコンポーネントを、エンジニア視点で徹底的に解説します。各Constraintの挙動と実践的な使い分け、依存性の自動解決の仕組み、循環参照の落とし穴、そして最も重要な「処理タイミング」まで、PlayerLoopレベルで詳細に検証します。本章を読むことでConstraintの特性とMayaとの連携を理解することができ、パフォーマンスと安定性を両立した実装が可能になります。

「SGE Go Tech Book Vol.08」

ゲーム・エンターテインメント事業部(SGE)所属のエンジニアによる、Goの知見やノウハウを共有する技術書です。ゲーム開発ならではの内容から、ゲーム開発以外でも活用できるテクニックまで、幅広く扱っています。本技術書は、下記6章で構成されています。マスタデータの自動更新の仕組みからランタイムのスケジューラまで幅広い内容となっています。章ごとの概要を紹介します。

【タイトル】SGE Go Tech Book Vol.08
【電子版】1000 円(税込)
【電子+紙セット】1500 円(税込)
【URL】https://techbookfest.org/product/aRqL2TWXUYnZNi0HfJc4n3


第1章: マスターデータを自動更新する仕組みを実装する(Colorful Palette / 西海 大愛)

本章では、ゲーム開発におけるマスターデータの自動更新の実装方法について解説します。Go/gRPC/MySQL環境にてインスタンス再起動なしで指定時刻にマスタを自動更新する仕組みを、設計とコード例を交えて説明します。

第2章: Goの脆弱性と向き合ってみる(QualiArts / 岸端 晃毅)

本章では、Goプロジェクトでの脆弱性検知と対応のワークフローを紹介します。govulncheckを中心に、到達可能性に基づく検知でノイズを抑える方法や、補助ツール(Dependabot、Trivy)との連携、CI/CDへの組み込み、フィルタリング戦略、脆弱性対応の優先順位付け、脆弱性混入を防ぐ方針について説明します。

第3章: GoのPostgreSQLドライバーと周辺ライブラリ(QualiArts / 鈴木 光)

本章では、GoのPostgreSQLドライバー(lib/pqとjackc/pgx)の比較と、jackc/pgxの使い方について解説します。接続方法から、SELECT/INSERT/UPDATE/DELETE、接続プール(pgxpool)、トランザクション、PostgreSQL固有機能(LISTEN/NOTIFY、配列型、JSON/JSONB)、pgtypeによる型システム、パフォーマンスチューニング、database/sqlとの互換性、エラーハンドリングまで、実装例と共に説明します。

第4章: GoプロジェクトにおけるADRの事例紹介(QualiArts / 島田 裕司)

ADR(Architecture Decision Record)は、プロジェクトの意思決定を記録する文書です。著者のプロジェクトでは、ADRの活用によりチーム内の合意形成やプロジェクトの透明性向上を実現しています。本章では、著者の所属するGoプロジェクトで実際に決定しているnil/空スライスの扱い、ロガー出力、ファイル分割、デバッグインターフェースの分離、Contextの値取得といったADR事例を紹介します。

第5章: Featherweight Go(QualiArts / 鈴木 稜太朗)

本章では、Go 1.18のジェネリクス設計の理論的背景を「Featherweight Go」論文に基づいて紹介します。FG(ジェネリクスなしのGoモデル)とFGG(ジェネリクスありのGoモデル)の比較、モノモーフィゼーションによるコンパイル戦略、ダミーメソッドによる型安全性の維持、式問題と共変レシーバ、現在のGo実装との違いについて説明します。

第6章: Goランタイムのスケジューラに触れてみる(サムザップ / 島田 蒼也)

本章では、Goランタイムのスケジューラの動作を解説します。M:NスレッドモデルとGMPモデル(G: goroutine、M: OSスレッド、P: 論理プロセッサ)の概要、スケジューリング処理(schedule()、findRunnable()、stealWork())、スピン戦略、ワークスティーリング、非協調的プリエンプション(sysmon()、retake()、preemptone())を、実装コードと共に説明します。

■最後に

「UniTips Vol.12」と「SGE Go Tech Book Vol.08」では、最新技術の紹介や、実際のプロジェクトで培った知見を盛り込んでいます!楽しんでいただける内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください!


【開催日時】2025年11月15日(土)〜11月30日(日)
【開催場所】技術書典オンラインマーケット
【URL】https://techbookfest.org/market

<オフライン開催>
【会期】2025年11月16日 (日) 11:00~17:00
【会場】池袋サンシャインシティ 展示ホールD(文化会館ビル2F)

LINEで送る
Pocket

おすすめ記事