“才能を最大限生かせる環境づくりを”アートディレクターとして大切にしていること
サイバーエージェントのゲームやエンターテイメント事業に携わる10社以上の子会社が所属する事業部SGE(Smartphone Games & Entertainment)では、さまざまなキャリアを持った女性メンバーが活躍しています。
「イラストレーターさんの環境づくりがしたい」と目指していたイラストレーターからアートディレクターとしてジークレストに入社した浜村。アートディレクターとして、どんなことを意識していて、どのように環境づくりをしようとしているのか、浜村の思いをききました。
照明の専門学校からアニメーターに
なぜ高校卒業後、照明の専門学校への進路を選んだのですか?
高校で文化祭の実行委員をした時に、学生だけで、企画から最終アウトプットまでを行うということがとても楽しくて。大勢で何かを作る仕事に携わっていきたいと思いました。照明の専門学校を選んだのは、その際に舞台の照明の統括担当をしていたからです。
そこからアニメーターになろうと思った理由は?
専門学校の2年間のうち、1年以上は就職するための就業体験が多くなります。その時に、元々趣味で描いていたイラストを描く時間がなくなり、すごくストレスに感じるようになりました。ストレスに感じたことで初めて、私が一番やりたいことはイラストなんだということに気づきました。それならいっそ仕事にしてしまおうと思い、アニメーターになることを決めました。
未経験からどうやってアニメーターに?
未経験でも採用してくれるアニメ会社に片っ端から連絡をして探しました。運よく1社から内定をもらい、アニメーターとしてキャリアをスタートすることができました。
浜村 友梨(Yuri Hamamura)
アニメ会社、ゲーム会社での様々なゲームのイラスト制作やディレクションを担当した後、2017年2月にジークレストに入社。アートディレクターとして、クリエイティブの品質向上全般を担当。
ゲーム会社へ転職した理由とは
希望の職種に就いた後、なぜゲーム会社へ転職したのですか?
慣れてきてどんどん手が早くなることも嬉しくて、日々学びは本当に多かったんです。ただ、入社して半年経った時にスタジオのサブリーダーを任されて、工数管理などマネジメントに時間を割くことが増えていきました。スタジオメンバーのサポート自体に不満はなかったのですが、まだクリエイターとして未熟すぎる自覚があったので制作者としての経験を積みたく、興味のあったデジタル媒体での転職活動を始め、未経験でもよいという会社があったので入社を决めました。そこがたまたまゲーム会社だったんです。
ゲームが好きだったからではないのですね?
むしろゲームをしたことはほとんどなかったんです。でもゲーム業界に飛び込んでみたら、競争も激しいですし、市場も伸びている。いろんな意味で変化が多く今後どうなるかが全く予想がつかないので、その分停滞もないですし、常に前のめりじゃないといけない環境が楽しくて、この業界にはまりました。
ゲーム業界に入社後はどんなことをしていたんですか?
はじめはデザイナーとして入社したのですが、イラストレーター不足から、イラストを描く機会をいただきました。徐々にイラストチームが大きくなっていき、当時就任したリーダーが制作に専念したい!ということになり、結果私がやることになりました。みんなやりたがらなくて(笑)。
そこでも、リーダーを。リーダーとしてはどんな役割を担っていたのですか?
なんでもやっていました(笑)。ゲームを受託で開発している会社だったのですが、私がリーダーになったタイミングで、イラストチームのみ独立して、社外のイラスト案件をとってくることが決まりました。仕事がないとメンバーの皆さんのお給料も払えなくなってしまうので、イラストを描きながら、営業にも行くようになり、スケジュール管理、パートナーさん探しなどなんでもしていました。
リーダーになって気づいたこと
リーダーとしてキャリアを積んでいたところから、なぜジークレストにアートディレクターとして転職を?
チームで一つの目標に向かい依頼されたサービスをつくる経験で得るものは大変多かったのですが、やはり改めて自分たちのコンテンツをつくりたいと強く思うようになりました。高校の学園祭での経験、思い出が忘れられなかったんです。そこから私の中でも気持ちの変化があり、アートディレクションに集中したいと思うようになりました。自社コンテンツを持っている会社に転職を考えていた時に、元々友人がサイバーエージェントのゲーム事業(SGE)で働いていて紹介されたのがきっかけでした。面接の時に、クリエイティブチームのマネージャーの方と話し、すごいチームを大事にしていると感じこの会社で働きたいと思いました。
入社してみていかがでしたか?
まず驚いたのはクリエイターの多さでした。クリエイターが100人くらいいて、会社の約半数なんです。クリエイター発信の企画なども多く、やりたいことが多いクリエイターにとって、楽しい環境だなと思いました。最初に配属されたチームでも優しく迎えいれてくれて昔からこのチームにいたのではと思うくらい最初から居心地がよかったです。
元々イラストを自分で描きたいと思っていたところから、なぜアートディレクションに集中したいと思ったのですか?
描きたいと思っていたのですが、リーダーとなりイラストレーターの皆さんと接している時に、一つの作品に素直にひたむきにクオリティを突き詰めていくイラストレーターの皆さんが好きで、皆さんがいい環境で仕事ができるなら、なんでも頑張れるというのが自分の原動力になっているということに気づきました。なので、その人たちの才能を最大限生かせる環境づくりをしたいと思ったからです。イラストレーターの方々が作り出すものを楽しみにしている自分がいることに、アートディレクションをしている中で気づいたことが大きいです。
アートディレクターとして大切にしていること
アートディレクターとして気を付けていることはありますか?
ディレクションをする時に意識していることは、理屈ありきのディレクションで、納得感をいかにだせるかだと思っています。私はすでにリリースされているサービスに配属されたので、過去のデータをかなり見ました。その中で良いものがあったら、なにが良いのか、その作品の一部を隠すとどのように印象が変わるのかをみたり、隠すことで魅力が落ちたと感じれば、どうしてそうなったのかなどをひたすら作品をみて研究しました。そういったことを整理して、分解をしていき、この作品のキモ、良いクリエイティブとはこれだというのをみつけていきました。また、できるだけ属人化させず、サービスとして良いクリエイティブを言語化して伝えていくようにしました。
その言語化はどのように行ったのですか?
この作品における良いクリエイティブはこれだというものが見つかった後に、法則として提示し言語化するようにしました。新しいイラストレーターさんが入ってきても、ここを抑えれば一定のクオリティが担保できるところまで要素を洗い出しました。そうすることで、イラストレーターさんが+αの部分、最後のこだわりの部分により頭を使ったり技術を使う時間を作り出せると思ったからです。
そのほかに普段心がけていることはありますか?
イラストレーターの皆さんが作業しやすい環境を作ることです。本人の納得感がないと技術向上が難しくなってしまうので、希望を聞いて、得意なところを見極めてから、こうやって伸ばしていったらもっとできることが増えるかもという部分を見つけるようにしています。
イラストレーターの皆さんにとってよりよい環境づくりを
入社して嬉しかったことはありますか?
ある子の作品で一年前に描いたものと同じ色で似た衣装があったのですが、ふと比べた時にかなり進化していたんです。本人の頑張りが強いですが、チーム全体で、よりよくしていこうという気持ちのもと、技術共有をし、アドバイスしあったり話し合った結果で、その子の成長がみえて、それがとっても嬉しかったですね。
最後に、今後やっていきたいことを教えてください。
変わらず、イラストレーターさんがよりよい環境で働けて、成長を促せる。才能を最大限生かせる環境づくりをしていきたいです。自分のプロダクトコンテンツが好きという人が集まっているので、その人たちがプロダクトづくりに集中していける環境を整えていければと思っています。また、新しいプロダクトの開発段階からチームで一つの作品をつくりあげるということもしていきたいですね。ユーザーさんにどういうものを届けて、どのように遊んで欲しくて、という企画の最初の段階から携わったことがまだないので、挑戦してみたいです。
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