未経験でシナリオライターに。―ゲームのシナリオにこだわる理由とは―

サイバーエージェントのゲームやエンターテイメント事業に携わる10社以上の子会社が所属する事業部SGE(Smartphone Games & Entertainment)では、さまざまなキャリアを持った女性メンバーが活躍しています。

世界観づくりがしたいと、未経験でCraft Eggにシナリオライターとして入社した西野。未経験からどのようにシナリオライターになり、技術を磨いていったのか。西野の経歴や入社してからの仕事、今後への思いをききました。

好きなことを仕事に

元々ゲーム業界に興味があったのですか?

父の知り合いがゲーム会社に勤めていたので、よくゲームソフトをプレゼントしてくれて、小学校の頃からずっとゲームが身近な存在で、好きだったんです。中学時代は吹奏楽部に入り、バンドにはまり、少しゲームから離れた時期もあったのですが、大学受験が終わった時、好きなことをしていいんだと思ったら、一番最初に思い浮かんだのがゲームでした。就職活動を始めた時も、好きなことじゃないと頑張れないと思い好きなことを仕事にしようと思った時に思い浮かんだのがやっぱりゲームだったんです。

新卒でゲーム会社に?

最初に入社した会社は、エンターテイメントコンテンツを手がける会社で、デザインやウェブフロントの経験を積むことができたのですがゲームは作ることができませんでした。ゲームづくりへの思いが捨てきれず、同じエンターテイメント事業を行う会社で新規事業として乙女ゲームを制作するという情報を聞いて転職をしました。

そこではどんな仕事をしていたのですか?

ゲームづくり自体が新規事業だったので、プロジェクトメンバーは2人でした。なので、企画原案から考え、世界観づくり、シナリオ発注、シナリオディレクターなど企画やクリエイティブ全般、それ以外にも声優さんのアサイン、プロモーション周りや予算管理など幅広く行っていました。その会社は、なんでもできるプロデューサーにという方針があったので、ゲームづくりに関わるほとんどのことを経験させていただきました。

西野 裕子(Yuko Nishino)

女性向けゲームのWebサイト制作やゲーム開発会社でのプランナーを経て、2016年に株式会社Craft Eggに入社。「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」のシナリオライターを務める。

世界観づくりが好きだった

そこからなぜCraft Eggに転職したんですか?

前職でいろいろ経験をしてみて、私は得意なものや好きなこと一本を仕事にしたいと思ったんです。それが、シナリオでした。小さい頃からゲームだけでなく漫画やお話を書くことも好きで世界観を練るのが好きだったので、自分の考えた世界観を世の中に出したい。それも、ゲームでという気持ちは元々ありました。そんな中、ドラマCDの台本を書いたり、シナリオのディレクションを通して、その仕事が一番自分に合っているし、楽しいと思ったんです。そこで、未経験でもシナリオを書かせてもらえるところがないかと探していました。その時に、Craft Eggが新規開発のシナリオライターを募集していて、ゼロからシナリオを書いたことはありませんでしたがこんなチャンスはないと思い応募をしました。

Craft Eggに入社した決め手は?

面接の中で、コンテンツ愛を重視している会社なんだなということを感じたからです。私は好きなコンテンツについてあまり面接で話すのは良くないのかなと思い、最初はあまり伝えなかったんです。そうしたら、今まで好きになったコンテンツについての話をもっと聞かせてほしいと言われました。仕事上のスタンスというよりも、コンテンツに対する私の向き合い方、愛情の注ぎ方を重要視してみていただいたので、そういう考え方がいいなと思い、この会社で働いてみたいと思いました。そもそも、未経験でも採用してくださるということ自体が嬉しかったのも大きいですが。

未経験でシナリオライターに

未経験でシナリオライターとして開発現場に。大変だったことはありますか?

プロット作りは本当に大変でした。話を考える上で、事象とは別に、それが起きた時の彼女たちの心理ややりとりも考えないといけない。最初は、どうしても彼女たちのやりとり部分しか書けなかったんです。何が起きて、どう思っているのかを全然表現できなくて。当時のプロデューサーと毎日ずっと話し合っていました。

シナリオを書く上で心がけていたことはありますか?

言葉、セリフ、行動一つにしてもちゃんと背景があって、それが何層もある。その背景があるから、ポンと出てきたのがその言葉だというのをかなり深く理解するということです。彼女たちの言葉、行動には、相づち一つとっても、ちゃんと理由がある。なんでこの子はこのタイミングで「うん」と言うのかをちゃんと説明できるようにしていました。言葉を発する順番も、この子がこのタイミングでこの言葉を言う理由はこうですと。

あとは、「キラキラしているね」、「かわいいね」など曖昧な言葉を分解していくことです。そういう言葉も、分解していくと、真の意味があると思うので、キラキラはどういう状態なのか?何がどうなったらキラキラするんだろうを細かく見ていき、最後の「これだから」と一つになるまで考え抜くということをずっとやっています。曖昧なまま進んでしまうと、キラキラの意味が色んな意味で解釈されてしまうので、そうならないようにしていました。

そう心がけるようになったきっかけはあったのですか?

最初は全くできなくて、「キラキラした存在になりたいです」と簡単にセリフにしてしまっていたんです。でも話を書き進めていくと、あれ、この言葉は何だろう、何を考えているんだろうと自分でも分からなくなってしまって、それから分解を心掛けるようになりました。特に口語だと曖昧な言葉で進んでいくことが多いので、そこをプロデューサーが一つひとつ細かくつっこんでくれたので(笑)。「この子はどういう性格なの?」「こういう性格なのに、どうしてこの趣味を持っているの?」などそういった整合性も含めて、本当にどんなことでも「なんで?」と聞かれたので無意識に叩き込まれていったんだと思います。

好きな文化は「みんなでつくる」

入社して印象に残っていることはありますか?

「みんなでつくる」という考え方を大事にしていることです。入社前は、プロデューサーがOKをしないと企画は通らないというイメージだったのですが、シナリオを見せた時に「シナリオチームがいいと決めたならいいよ」と言われて戸惑いました。ただ、そうやって言ってもらえたのでアウトプットにも責任を持てましたし、信頼してくれていることが嬉しいと思いました。

そのほかにも、初期は10人ほどしかメンバーもいなかったので、「全員からGOが出るまで企画が通らない会議」などを実施していました。これは、名前どおり企画をプレゼンし全員からGOがでれば進められるという会議です。

今でもそのものづくりへの考え方は変わらないですか?

今でも、「みんなで作る」を大事にしているので、他セクションのアウトプットにもみんなどんどん様々な案を出しています。そういう文化ができているので、他セクションの仕事、コンテンツ全体にも自然と興味が持てます。セクションごとになっていないので、スケジュールがおしてしまっても、お互いの事情を理解しているので、お互い様だねとなります。

人が増えてきた中でもその文化はどうやって維持しているんですか?

今は、会社の規模も少し大きくなり約80人のメンバーがいるので、さすがに「全員からGOが出るまで企画が通らない会議」の実施は難しいのですが、誰でも意見は言える雰囲気はありますし、言えるタイミングも多いです。例えば、イラストができた時に、絶対に確認する人は決まっていますが、皆が見られる場所で確認をしているので、確認する人以外でも気になったらどんどん意見を言っています。「興味がある人はきてください」というオープンなアウトプット確認MTGも頻繁に開かれています。それが、決まり事としてではなく任意で行われているので、文化が浸透していってるなと感じます。最終的には、担当セクションの人が決めますが、かなり細かいところまで意見がでたりしますね(笑)。この文化は好きな文化の一つでもあります。

つくった世界観を好きになってもらいたい

今のお仕事内容を教えてください。

入社以来ずっとシナリオライターをしています。現在は、リーダーとして、クオリティの最終チェックをしています。途中から参加したメンバーもいるので、些細な語尾や彼女たちの言い回しの差などやりながら理解しなくてはいけない部分もありますが、できるだけ言語化をして誰が書いても違和感がないようにしています。クオリティの最後の砦だという気持ちで自分にプレッシャーをかけています。

最後に、今後の展望を教えてください。

私はいつも世界観でゲームを選んでいます。世界観がおもしろそうなら、そのゲームはやってみようとなるので、いつかは、自分が作った世界観で選んでもらえるゲームを作りたいです。そしてゲームの醍醐味は、いろんな人になりきったり、世界観を体験できたりすることだと思っているので、自分がつくった世界観をたくさんの人に体験してもらいたいです。オープンワールドのようなゲームも好きなので、世界観が徹底的につくり込まれているそんな表現を突き詰めていきたいです。

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