「自分たちの中で最適解を考えた」新規プロジェクト開発で経験したこととは?

ゲーム・エンターテイメント事業部(SGE)では、300名以上のエンジニアがプロダクトに携わり、開発に挑み続けています。その中でも20代のエンジニアは全体の多くを占めており、若いうちから各プロダクトのコアな部分の開発運用や組織の横断施策の企画運営などを担当しています。今回はこういった若手エンジニアを中心に、開発のエピソードや日々挑戦してきたことについて、紹介いたします。

第3回目は、株式会社セガと株式会社Colorful Paletteが協業している『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』で、バーチャルライブなどの開発に携わる入社2年目の山口にインタビューしました。VRの開発に携わりたいと思い、学生の頃から「Vtuber」などを手がける会社で開発を経験してきた彼が、新規プロジェクトで感じた難易度や、SGEだからこそ技術的に実現できたことなどを中心にお話を聞きました。

学生の頃からVR開発を経験

VRの開発に興味を持つようになったきっかけは?

小さな頃からアニメやゲームが好きで、そこから「バーチャルユーチューバー(Vtuber)」などのコンテンツにも触れるようになったことがきっかけでした。元々、工業系の高等専門学校に通っていたのもあり、いつしか楽しむ側だけではなくコンテンツをつくる側にもなってみたいと思うようになって、「Vtuber」などの開発を手がける会社で業務委託契約という形でお仕事をしていました。

そこではどのようなことを?

キャラクターを動かしたり、ライブの演出を考えたりなど、今任されている仕事に近い業務を最終的に1年以上担当しました。当時は学生ですし、最年少ではありましたが、少人数のチームということもあって、演出の根幹から携わるなど、考えるところも含めて任せていただけていたと思います。

なぜサイバーエージェントに入社しようと思ったのですか。

ちょうどその会社の上長から、サイバーエージェントでご活躍されているエンジニア社員の方を紹介していただいて、就活の相談などをしました。ゲームはもちろん、メディアや広告といった幅広い事業部でもVRの開発を行なっていることを知り、会社全体としても注力しているところに惹かれ選考を受けようと思いました。

その中で、今のプロジェクトに配属先を決めたのは?

『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(以下、『プロセカ』)」の内定者アルバイトをさせていただいた経験が大きかったです。3DMV用の機能開発に携わったのですが、そこで新しい技術に多く触れることができたり、エンジニアでもコンテンツづくりのコアな部分に携われる機会がたくさんあったり魅力を感じました。また、立場や職種にとらわれず、いろいろな意見が言い合えるColorful Paletteのカルチャーにも惹かれました。

山口 智也 (Yamaguchi Tomoya)
株式会社サイバーエージェントに2020年新卒入社し、現在は株式会社Colorful Paletteでグラフィックスエンジニアとして従事。『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』では主に3Dやバーチャルライブ周辺の実装を担当。

面白くなるなら、完成したものを壊してでもつくり直す

入社してからの仕事について教えてください。

内定者の頃から関わっていた3DMV用の機能開発に加えて、私がチームに入る前から開発が進んでいた「バーチャルライブ」にも携わることになりました。それから今に至るまで「バーチャルライブ」の開発を中心に携わっています。学生の頃の開発経験もあって、配属当初からキャラクターを動かすところやライブ演出などを主に担当しています。

「バーチャルライブ」の開発で工夫したところはありますか?

実際のライブのように「お客様同士が一緒にライブを見ている感じをゲームの世界でもつくろう」というチームの方針があったので、そこをどのように技術的に実現できるのか工夫しました。

工夫をする中で、難しいと感じた部分はありましたか?

新規タイトルのため、「この機能はお客様に受け入れてもらえるものになっているのか」といった部分で、実際にリリースしてみないとわからないところに難しさを感じました。特に「バーチャルライブ」は市場的にも前例のない機能でしたし、自分たちの中で最適解を考えるしかなかったんです。だから、エンジニアはもちろん、Colorful Paletteの全社員を集めたタスクフォースをつくって、キャラで動かすところなど、「バーチャルライブ」で見られるところは全て全社員でチェックして意見を出し合いました。

具体的にどのような意見が出たりしたのでしょうか。

例えば、今のライブ会場で自由に移動ができるようになったのもそこでの会話から生まれたものでした。当初は座席が固定だったのですが、自由に動けてライブを見られた方が楽しそうだよねって話が出て急遽変更しました。一度完成したものだったとしても、もっと良いアイデアが出たらそれを壊してでもつくり直していました。何十回もそのような開発を繰り返して、ようやくつくりあげることができました。

他の子会社のエンジニアも巻き込んだ大型アップデートを担当

リリース後、印象に残っている施策はありますか?

今後、多くのお客様が一度にライブ会場に入れた方が、お互いに交流できてより楽しさを感じてもらえると思い、当初15人しか入れなかったライブ会場に100人まで入場できるアップデートをした開発が印象に残っています。

どのような部分でそう感じたのでしょうか。

運用フェーズになってからの大きな開発施策だったのですが、元々の15人から100人に増やすとなると、マルチプレイの通信基盤を切り替える必要があって100人分の処理の動きなどで、想像以上に影響がたくさん出てしまいました。リリースのスケジュールも迫っていたので、ゲーム・エンターテイメント事業部(SGE)の子会社であるグレンジのエンジニアの方に協力してもらい、ヘルプに入っていただきました。

グレンジのエンジニアの方がヘルプに?

3名のクライアントエンジニアの方が来てくださったのですが、ヘルプというよりも、自分と同じような立場で開発をお願いしました。経験豊富で信頼できるベテランの方々が来てくださったおかげで、一番ネックになっていた通信基盤の部分も解決し、理想の状態でリリースすることができました。普段、子会社としては分かれていますが、このような開発でお互いに頼ることができますし、技術面でもクオリテイの高いものをお互いに享受し合えるので、SGEの組織体制の強みを感じました。

今後の目標について教えてください。

3Dグラフィックを得意分野に見据えていきたいと思っているので、そのジャンルでのエキスパートに今後なっていけたらと思っています。プロセカでの開発経験を通して、多くの知識やスキルが身についたのでSGEはもちろん、会社全体にも技術共有したいと思い、最近は、3Dグラフィックを推進している横断組織にも携わっています。また、技術だけではなく、最終的にはコンテンツのグラフィックを市場で最高水準のものづくりを実現したいと思っています。将来は、3Dグラフィックの分野をリードできるようなエンジニアになりたいです。

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