37歳の転職。なぜサイバーエージェントのUI演出デザイナーに?

複数の子会社が所属している、ゲーム・エンターテイメント事業部(SGE)では、様々なキャリアを持ちながらも、UI演出デザイナーとして新たな挑戦をしている社員がいます。

小学校教員やポーカープレイヤーの過去を持ち、行き着いたのはクリエイターとしての道でした。どのようなキャリアパスを描き、なぜサイバーエージェントに入社したのか、実際に入社してみてのリアルな声を聞きました。

▼今回の記事は「UIUX Labのアドベントカレンダー10日目」として参加しています。
https://qiita.com/advent-calendar/2024/uiuxlab
12月25日まで、1日に1つずつゲームUIデザインの記事を公開していますので、ぜひご覧ください。

今はデザイナーとして働いていますが、元々は教員をされていたんですよね?

大学卒業後は、小学校の教員をしていました。大学で児童学科に通っていたため、国家資格を活かし、子どもたちの成長に関わりたいと就職しました。ただ、元々小さい時から憧れていたクリエイター職への興味が、ふつふつと湧いてしまい「人生このままでいいのか?」と思い始めてしまったんです。悩んだ末に一年で辞め、クリエイターとしての転職活動のためにポートフォリオを作り始めました。

その後、デザイナーに?

いえ、ポーカープレイヤーになりました。というのも、ポーカーを題材にしたトランプゲームのポートフォリオをつくっていましたが、ポーカーという競技があまりに面白くて、気づいたらそっちに夢中になってしまったんです。ポーカーが遊べるスポットで熱中していたら、いろんなところからお声がけいただくようになり、海外遠征や講師などして、3年ほど生活していました。しかし、ポーカー競技の市場やプレイ人口の変化により、続けることが難しくなりました。引退すると同時に、クリエイターとしての職探しを始め、スマートフォンゲームの会社にUIデザイナーとして入社しました。

ポーカープレイヤーとして活動後に、スマートフォンゲームの開発に携わったんですね。

当時はカードゲームを主流にしたスマートフォンゲームがたくさん開発されていた時期で、市場として人手不足が多かったんです。片っ端から受けては、落ちて、受けては……を何十回も繰り返し、やっと1社内定をいただきました。27歳、未経験でのデザイナー職探しは大変でしたね。

たかゆ

児童学科卒業後、小学校教員として1年勤務。その後、ポーカー競技の魅力に惹かれ、ポーカープレイヤーとして3年間ほど活動。その経験を経て、スマートフォンゲームのUIデザイナーに転身し、グラフィックデザイン、アニメーション、エフェクト制作などの業務に従事。また、個人活動として、X (@takayuP4) 、セミナーや学校講義、書籍出版などを通して技術発信も行う。現在は、ゲーム・エンターテイメント事業部 (SGE) の「コアクリエイティブ本部」で、UI演出デザイナーとして新規ゲームのUIアニメーション制作を担当。

デザイナーとして転身後、どのような仕事をしていましたか?

UIデザイン、グラフィックデザイン、キャラクターアニメーション、エフェクト制作、動画編集、生放送のカメラや照明のセッティングまで一通りの経験をしました。その中でアニメーションツールを使った仕事を求められることが多くなり、SpineやUnityを使ったキャラクターを動かす業務に携わるようになりました。振り返ると、今につながるスキルや経験はこの1社目に詰まっていたと思います。

スキルを身につけるために、心がけていたことはありましたか?

最初は、自分の居場所探しのような感じで、私でもできる業務がないか探していましたね。周りの方と比べて、実力不足という後ろめたさはありました。しかし気持ちの面では負けないように積極的に業務に携わっていきました。少しでも時間が空いたら、ツールの勉強もして、現場で実践するといった自己学習もしていました。今でもその習慣は続いていますね。

転職を決意した、その理由とは?

そのような中で、サイバーエージェントを知ったきっかけは?

勉強のために、サイバーエージェントが開催したデザイナーのイベントに参加したことがきっかけです。開催後のアンケートで連絡先を共有したところ、後日、デザイナー交流会のお誘いの連絡をいただきました。その頃は、業務をしつつ2年間ほど個人活動として、X・ブログ・YouTube・セミナー・学校登壇など幅広く発信していました。私の発信を見て、興味を持っていただけたのか、サイバーエージェント主催の交流会やイベントの登壇に誘われるようになりました。キャリアについてお話しすることはありましたが、当時は転職意欲はなかったため、そうお伝えしていました。

なぜ、そこから転職を決意されたのでしょうか?

何度か社内のお話を聞くにつれて、“横のつながり”を大切にしている会社だと気づいたんです。私自身、以前の会社でも他部署のデザイナーの方とお話することが好きで、様々な方に出会いました。その出会いを通して、最新技術やテクニックなどを知る機会となり成長に繋がったので、横とのつながりは大切だと実感しています。ゲーム・エンターテイメント事業(SGE)では「UIUX Lab」「インタラクションデザイン室」といった横断施策が多くあり、徐々に魅力を感じて入社したいと思いました。

デザイナー同士の交流で、入社後の不安も消えていった

現在の仕事内容を教えてください。

各子会社が開発する複数タイトルの立ち上げや、フォローを目的にした横断部署「コアクリエイティブ本部」に所属しています。今は横断的に、UI演出デザイナーとして、新規ゲームのUIアニメーションの制作を担当しています。入社して3ヶ月が経ちましたが、すでに3タイトルに関わらせていただきました。また、横断施策として、会社全体に知見を渡すことから発足した、AIの研究をするチーム「デザイナーズAIスタジオ(WIP)」を立ち上げて、12月からXでの情報発信も始めています。

入社して3ヶ月で3タイトル、横断施策と幅広く携わっていますが、不安はなかったですか?

入社して1週間ほど、些細な悩みを誰に伝えたら良いかわからなかったり、話したいけど話せなかったりと溜め込んだことがありました。しかし、すぐに他のデザイナーの方がものすごい回数の交流会ランチを設定してくださって(笑)各社のデザイナーの方々と数えきれないほど知り合うことができました。そのおかげもあり、環境に少しずつ馴染んでいきましたね。

環境や雰囲気など、入社前と入社後のギャップはありましたか?

もっとキラキラした環境なのかと思っていました。しかし実際は愚直に働かれていて、飲み会も多くないですし、ギャップはありましたね。また、若くして活躍されている社員の方が多いことにも驚きました。今のチームでも新卒の方が、入社4年目くらいの活躍をされていて、年齢や立場関係なく裁量が任されている印象があります。

楽しく、自由に。業界貢献やブランディングに関わっていきたい

実際にゲーム・エンターテイメント事業(SGE)で働いてみて、良かったところを教えてください。

0からいろいろと挑戦できて、自由につくれるところです。また、自分のアウトプットに対してメンバーがいつも真剣に向き合ってくれたり、「いいね!」となった案を即座に実装してくれたり、してみたいことをどんどん、素直に相談できるところも魅力的だと思います。エンジニアの方との距離も近く、雑談しながらアイディアが具体化していくので面白いです。

仕事を進める上で、大切にしていることはありますか?

楽しくつくること、そして、つくる時の姿勢として「相手と自分を感動させること」を大切にしています。失敗を恐れず、挑戦し続けた結果、新しい表現を生み出せれば、自ら感動しますし、想像を超えるアウトプットに繋がれば相手を感動させることもできます。それに加えて「最高のゲームをつくっているという自覚を持つ」ことも必要だと思うんです。一番良いものをつくっているプロジェクトだという気持ちがあれば、最高のものだけを世に送り出そうと思うので、この考えを大事にしています。

これから、挑戦していきたいことを教えてください!

まずは、サイバーエージェントのゲーム・エンターテイメント事業(SGE)のデザイナーのブランディング強化をしていきたいです。今までの経験を活かして、社内で培ったTipsなどをSNSで社外発信したり、今までしたことのない施策にも挑戦したりしていきたいです。また、事業内で研修や勉強会が多く実施されているので、研修で制作した素材などを社外に公開させて、ゲーム業界のためになる施策も考えていきたいです。

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