デザイナーが考えるブレないブランドづくりとは。

こんにちは。スマートフォンゲーム・エンターテイメント事業部(SGE)でシナリオディレクターをしているかまたです!今回は、サイバーエージェントとモリサワがタッグを組んで開催したデザイナーの方向けセミナー『デザイナーが考えるブレないブランドづくり』をダイジェストでお届けします!

タイトルロゴ

お越しいただいた方は当日を振り返りながら、残念ながら足を運ぶことができなかった方は頭の中で想像を膨らませていただき、ぜひお楽しみいただければ幸いです。

サイバーエージェントとモリサワがブランディングの裏側を語るとあり、本イベントは早くから満員御礼。開始前から熱気と緊張感が入り混じり、改めてただのセミナーではないことを感じつつスタートしました。

そして、じわじわと会場の期待値が高まってきたところで講演がスタート!

イベントは講演からスタート!トップバッターは・・・

トップバッターは、サイバーエージェント・クリエイティブ統括室でクリエイティブディレクターを務める前澤拓馬さん。テーマは、「デザインから変わる、企業のブランドイメージ」。

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まずは「Re Brandingのはなし」と題し、これまでサイバーエージェントがつくりだしてきたサービスのイメージと課題から始まり、各所で話題を集めたブランドロゴの刷新、チーム一丸となってこだわり抜いた社内外で使用するグッズ誕生の裏側を赤裸々に語る。中でも総合クリエイティブディレクターを務めるNIGO®(ニゴー)氏の話題では、普段デザインに携わる来場者が前のめりになる様子が見てとれました。

また、AbemaTVについてはプロモーションをメインにご紹介。2017年年始に大々的に行った新聞広告を用いた施策の効果、新聞とテレビの親和性についてなど、普段絶対に聞くことのできない情報満載で次の登壇者にバトンを渡しました。

VRモード搭載「オルタナティブガールズ」の制作秘話

続いて、QualiArts「オルタナティブガールズ」でクリエイティブディレクター・アートディレクターを務める庄司拓弥さんと同じく「オルタナティブガールズ」でクリエイティブディレクター・デザイナーを務める山崎一平さんが登場。テーマは「誰にも教えたくないオルタナティブガールズの制作秘話」。

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オルタナティブガールズ」の誰にも教えたくない制作秘話ということで注目度が高まる中、前述のクールな前澤さんとは打って変わってチルアウトした雰囲気でスタート。

早速、リリース前から市場をざわつかせた3DやVRの話題へ。

本作は当時近しいゲームがまだ存在しない中、3Dキャラ1体あたり18,000ポリゴンというハイポリで制作。さらに、モーションキャプチャーを撮ったりVRを搭載したりと、とにかく技術的にチャレンジした作品とのこと。ただ、すべてが順調に進んだわけではなくモデルに関しては何度も検証を重ね、3回程度はリスタート。結果、まつ毛の薄さにまでこだわってキャラクターに命を吹き込むことができたそう。これには来場者も息を呑んでいました。

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また、大量のイラストをひとつの世界観へ落とし込むのにはみ出し過ぎてもダメだし、まとまり過ぎても面白くなく、このバランスを取るのがかなり難しかったとのこと。そんな状況下、ファッションや武器専門のイラストレーターといった各分野のプロフェッショナルをアサインし、全体像を調整。苦労したがそれらはとても楽しかった点だと熱弁していました。

最後に、庄司さんが将来的な展望として「オルタナティブガールズ」は長期に渡って皆さんに愛されるコンテンツへと育てていきたい、と力強く締めて終了。裏の裏まで惜しみなく披露した講演でした。

講演のラストは、「タイプフェイスから考えるブランディングデザイン」

そして、講演のラストを飾るのはモリサワにてデザイン企画部・ディレクターを務める富田哲良さんが登場。テーマは「タイプフェイスから考えるブランディングデザイン」。昨年リリースされた新書体「うたよみ」を引っさげての講演とあり来場者のボルテージもマキシマムに。

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チルな雰囲気を引き継ぎつつも、独特の空気感でトークがスタート。

序盤はモリサワでの書体制作のお話。そもそも書体は手書きでデザインされており、デザイナーが最初に行う業務はモリサワの代表的な書体を何も見ずに書き、製品と同じ品質を目指していくという。これが早いスタッフで2年、長いスタッフで3年を要す。さらにディレクター1名、デザイナー2名、エンジニア1名程度でチームを組み約2~3年かけて一書体を完成させていくそうで、その長期に渡る制作工程に来場者も圧倒された様子。続いてブランディングに関わる企業制定書体の話題へ。

日本では、企業制定書体や、特注を作ることは珍しいそうですが、某案件の事例を元にご紹介。京都らしさをテーマに書体開発を進めたところコスト面によりゼロベースでの漢字制作は難しく、モリサワが持つ既存の書体に合う形で「仮名書体」を作っていったという。そこでこういった新しい書体を作る際どれだけコストがかかるのか?といった話題に。漢字・かなを含むセットになると約1万文字から必要になり、相当高価な海外の高級自動車程度は必要とのこと。

それら興味深いお話の連続にメモを取る来場者が続出。また、それ以上に富田氏が予定時間をオーバーする熱の入りようで、急遽飛び込んだ“巻き”の指令に「自身でオリジナルフォントを制作することもできますが…フォントはフォント屋さんに依頼してください!」と一気に締め会場の笑いを誘った。

あっという間にセミナーは後半戦に。

乾杯をはさみ、和やかな雰囲気でトークセッションへ

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ここからはお酒も入り、司会を務めるモリサワ・青木さんが乾杯の音頭をとりトークセッションがスタート。事前に来場者の方からいただいた質問を元にセッションを繰り広げる(以下抜粋)。

チームを上手く率いるポイントは?

庄司
デザイナーは受注型になりがちですが“何が何でも良いものを作りたい”といった気持ちが根底にあるので、デザイナーがチームを引っ張るくらいの気持ちで作っています。

前澤
細部までこだわって作っていると目的を見失いがち。そういった時にしっかり軌道修正してあげられるようにしています。

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ブランディングを始めるにあたり一番大切なことは?

前澤
Amebaの新ロゴに携わっている時に総合クリエイティブディレクターのNIGO®さんが固まったコンセプトというよりは『ニュートラルなもの』を意識していると感じました。ブランディングする上で誰かが望むクリエイティブを目指すのが必ずしも正解ではなく、もっと感覚的なものの大きさはあると思いました。

庄司
前澤さんの体験と同じくテンプレートにはめるのではなく、わりと感覚的に作った方が違ったものに仕上がる。そういった感覚を大切にしていきたいです。

富田
ブランディングを始める際はフォントにも予算と時間をとってください。(会場笑)

構築した物がなかなか浸透していかない時、浸透させる工夫はあるか?

山崎
制作中手が進まなくなった時は一旦寝かせてみたりしますが、そういう煮詰まった際一度リセットして環境を変えるのが一番いいと思います。

富田
書体は長いもので10年かかったりするので、その先の流行り廃りを想像しながら作ることを意識しています。

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次世代を担う方へのアドバイスを

富田
みなさんにお伝えしたいのは、“時間をちゃんと守る”ということです。(会場笑)

山崎
自分自身にも言えることですが“天狗にならない”というのが大事です。制作陣はエゴが強く出ることもあるので、注意して焦らずゆっくりものづくりをしていただきたいです。

前澤
他の職種のことは分からないからと自分の可能性を狭めないようにしてほしい。新たな領域であっても自分が勉強したいと感じたら、迷わずやってもらえたらと思います。

庄司
ひとつのアートを作る際自分の中で自問自答して意思決定していると思いますが、是非このプロセスを楽しんでほしいです。また、出来れば自分より優秀だと感じる方と仕事をして、どこで意思決定がなされているか注意深く見て自身の糧にしていってください。

トークセッションの内容はマネージメントから実戦的なものに至るまで非常に幅広く、来場者からの反応も大きかったようです。なお、それぞれのお話を結んでいくと皆さん扱うものは違えどものづくりに対するマインドは同じで、常に最高のプロダクトを目指して制作されている様子を感じることができました。

終了時間を過ぎても話が尽きず・・・

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会の最後は登壇者の方々も待ちかねたビアバッシュ(飲み物や食事を片手にラフに語らうこと)。登壇者に質問を投げかけるために列ができたり、名刺片手にたくさんの交流がうまれたり、来場者の熱量はさらに上昇。終了時間が過ぎても話が尽きず楽しそうに話していました。たくさん笑って同時に学べてしまうセミナーになりました。

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