モンスターの個性を惹きだすアニメーションができるまで
こんにちは!SGEに所属するスマートフォンアプリの開発・運営をしているグレンジのアニメーターのマルモです。今回は、2014年6月にリリースされ、現在900万ダウンロードを突破しているなぞるRPG「ポコロンダンジョンズ」(以下、ポコダン)のアニメーションがどのように作られているかを紹介します!
まずは、ポコダンの紹介ムービーをご覧ください。
モンスターアニメーションの作成方法ついて
「ポコダン」は、登場するモンスターがキモのゲームなので、モンスターをいかに個性的に魅せるかが重要なポイントでした。個性を出すためには、同一アニメーションの使い回しを極力減らし、ユニーク数を多く制作することが効果的です。そのため、現在では2Dのモンスターアニメーションと言えば、Spineに代表されるボーンアニメーションが主流だと思いますが、「ポコダン」チームはFlashによるパーツアニメーションを選択しました。
パーツアニメーションは、作り手が細かく動きの微調整を行えるため、1500以上の登場するモンスターほぼ全てに異なる動きをさせることができ、新鮮で見ていて気持ちよく、温かみがある動きを作ることができました。
スライムのようなモンスターも属性で個性を出しています。
モンスターアニメーションの方向差分について
モンスターの方向差分は全部で8方向あります。
モンスターはそれぞれの方向で待機・歩き・攻撃・スキル発動などのアクションを起こします。しかし方向差分 × アクション数のアニメーションは現実的ではありません。
実際は制作工数・容量の削減のため、作成しているのは4方向のみです。横は斜め前で代用し、さらに左右反転して使用しています。
8方向作った方が細かい部分のクオリティは上がるのですが、制作工数や容量が削減できた分、より見せたい部分の制作に時間をかけることができ、クオリティアップにつながっています。
スキルエフェクトの作成方法について
「ポコダン」ではエフェクトもFlashをメインに使用していますが、加算ブレンドができないためエフェクトの光の表現をより強めるために、Particle Designerを併用してエフェクトを作成しています。エフェクトは、光っていたり、キラキラしたほうがよりキレイに見えるので、キレイに光って見せるという表現に適しているParticle Designerを選択しました。
ポコダンのスキルエフェクトはポコロン[1]1マスに出す想定で作成して、システムでモンスターの攻撃範囲のマス分エフェクトを出すようにしています。この方式を取ることで急な仕様変更(攻撃範囲の変更)の対応や、広い攻撃範囲のエフェクトも1マス想定で作るので容量の削減につながっています。
[1] ポコロンとは「ダンジョン」に広がる赤・青・黄・緑の4色のパネルのこと
FlashとParticle Designerの併用
Flashで作成したアニメーションのタイムラインにラベルを設定します。ラベルを指定したタイミングでパーティクルが出るようになっています。
これによって、エフェクトがよりエフェクトっぽく、綺麗に光って見えるようになっています。パーティクルは一つではなく、複数同時に使うこともできるので、パーティクルだけでもたくさんのバリエーションを出すことができます。
(←左 がパーティクルあり、 右→がパーティクルなし)
以上が、1500体のモンスターが登場する「ポコダン」を彩るアニメーションノウハウです。
制作:株式会社グレンジ