「ためになりました!」では終わらせない実務につながる勉強会「アゲテク」とは?
こんにちは。編集部です!
今回は、サイバーエージェントの子会社12社で構成されているゲーム・エンターテイメント事業部(SGE)で実施している、未経験者が一からLive2DやUnityなどを学べる勉強会として話題になった、社内勉強会「アゲテク」について運営メンバーにどんな施策なのかをききました!
<プロフィール>
(左)榎本 孝平(Kohei Enomoto)
武蔵野美術大学にて、デザインを学び、2016年にサイバーエージェントへ新卒入社。現在はQualiArtsにて「オルタナティブガールズ」のグラフィッカーを担当。「アゲテク」には2期から生徒として参加し、3期からは校長として運営チームに合流。
(右)白 然景(Baek YeungKeung_よんよん)
韓国の大学を卒業後、2015年度サイバーエージェント新卒入社。入社後、数々のスマートフォンゲームの開発にデザイナーとして携わる。現在は、GOODROIDにてUIデザインだけでなく2Dアニメーションも担当。「アゲテク」は1期に生徒として参加し、3期から運営チームに合流。
今知っておいて欲しい技術をテーマに
社内勉強会「アゲテク」について教えてください?
榎本:
「アゲテク」は、上げる(アゲル)テクニックの略で、若手クリエイター・エンジニアが中心となり、組織としてカバーしておきたい技術分野の講義を、その分野に詳しい社員を講師として毎週1回ずつ3ヶ月間に渡り行われる社内勉強会です。年に2回実施をしていて、今年の7~10月の講義で3期目となります。
実際にはどんな講義があるんですか?
よんよん:
今回は、運営メンバーと相談して、下記6講義を実施しました。
- After Effects講座
- Unity講座
- (フロントエンジニア向け)サーバーサイド基礎講座
- Live2D講座
- Ansible講座
- AWS(インフラ構築)講座
どんな人が参加しているんですか?
榎本:
各講座によってさまざまな職種の人が参加しています。
例えば、Aftereffects講座だと、デザイナー、イラストレーター、エンジニアやプランナーの方まで参加しています。特に職種の制限などは設けていないので、興味ある講座にさまざまな職種の方が参加しています。
受講メンバー全員が技術が上がった!と感じている
どうやって運営しているのですか?
よんよん:
運営メンバーは、7名でかなり本気で準備をしています。毎週金曜日にMTGを開いて1年を通してどうやって「アゲテク」を運営していくかを話しています。開催期間中(1月~4月 7月~10月)は、毎週の授業の進捗共有や期間の最後に実施する成果発表会の内容決めを行い、開催期間外では次の授業の内容決めや講師の方との授業内容のすり合わせを行なっています。
榎本:
「え、社内勉強会なのに?」と思われるかもしれないのですが(笑)。せっかく貴重な時間を使ってもらうので、「ためになりました」ではなく、「実務に活かせました」と言われることを最終の目標として作っているので、かなり本気度は高いと思います。
受講後のアンケートでは、全員技術が上がったと回答。
大切なのは熱量を上げる工夫
実務につながる社内勉強会を実施するコツは?
榎本:
まずは、「コンパクトな授業+ハンズオン形式」です。
「無理なく受講ができる勉強会にしよう」という思想のもと、「アゲテク」では授業は毎週1時間、期間は3ヶ月と受講する社員の負担になりづらいように設定しています。また少人数+ハンズオン形式のため質問が活発に起こりやすく、受講者同士で教えあうなどアットホームな雰囲気で学べるのも良いポイントだと思います。授業の合間や終わりには授業ごとに懇親会を開催しているので、この勉強会を通して会社やプロジェクトを越えたつながりも増えていると思います。
よんよん:
それ以外だと、授業の最後に成果発表会を開催しています。
3ヶ月間の授業の最後に「成果発表会」と称して、授業で学んだことの集大成を発表する機会を設けています。
成果発表会には受講者の上長、ゲーム・エンターテイメント事業部に所属する子会社12社を横断するクリエイティブボード(CRE8)やエンジニアボードの皆さんもきて、本当に技術力が上がったのかを共有します。当日は多くの人が見に来てくださるので、緊張感もありつつ、受講者もこの発表会に向けてかなり気合が入るので、毎回の授業の熱量も高まり効果的です。
榎本:
これは、本当に講師の方に感謝していることなのですが、講師の方々の熱量の高さです。
講師をお願いする方には授業内容から最後に行う成果発表会の内容まで一緒に考えてもらいます。受講者の進捗に合わせて授業の内容を変更したり、補講授業を開講したり、講師社員の皆さんが本当に熱量高く受講社員の皆さんのことを考えて授業を進めてくれるので毎回質の高い授業内容になっています。
キャリアチェンジのきっかけにも
具体的にアゲテクの授業が業務に活かされた例などはありますか?
榎本:
最近だとUnityを学んだデザイナーの方が、その知識を活かして現在はデザインからUnityの作業まで行っていたり、プランナーだった方がAfter Effectsを学んでアニメーターにキャリアチェンジをするきっかけになったりと普段の業務のさまざまなところで活用できているという話をききます。
私自身も受講者としてAfter Effectsを学び、After Effects上で制作したエフェクトを書き出してイラストに活かすなど、業務に実際に活かしています。
よんよん:
講師の方からは、この勉強会を通して職種を越えた技術理解が進むので、業務がスムーズに進行できるようになったという声もあります。こういう報告は運営として本当に嬉しいです!
せっかくなので、受講したメンバーにも話をきいてみました!
<プロフィール>
荒木 将司(Masashi Araki)
関西大学を卒業後、2016年にサイバーエージェントへ新卒入社。「ジョーカー~ギャングロード~」にてイベントプランナーを経て、現在は「神式一閃 カムライトライブ」の演出プランナーとしてバトル演出の企画、制作、発注および3Dエフェクトのクリエイティブディレクションを担当。
企画職から演出プランナーへ
受講した講座を教えてください。
After Effects講座を受講しました。
受講しようと思った理由を教えてください。
現在、演出プランナーとして、担当ゲームのバトル演出の企画制作を担当しています。その中でも特に3Dエフェクトの調整やディレクション業務を行っています。元々企画職で入社をして、未経験で演出プランナーとなったので、ゲームのエフェクトを作る上でAfter Effectsはエフェクトのテクスチャ生成に役立つのではないかと思い受講しようと思いました。
今回の講義を受講してどうでしたか?
After Effects自体触るのが初めてだったのですが、何も分からない状態でもカリキュラムが一つ一つの操作を丁寧に教えてもらえるようになっていたのでとても分かりやすく、抵抗を感じることなくツールに触れることができ、最後まで楽しく受講できました。(荒木さんの制作した作品は下記)
実際に実務で活かせていますか?
活かせています。外注先の方から上がってきたVコンテの映像に対してAfter Effectsで編集したものをフィードバックとして送り返したり、また、連番のテクスチャを生成して既存のエフェクトにアクセントとして付け加えたりしています。ただ、まだまだAfter Effectsの機能を活かしきれていない部分が多いので引き続き学習を続けてより業務に活かしていきたいと思っています。
若手主体の運営チームで、実際にスキルアップができると受講者の満足度も高い「アゲテク」。成功させる秘訣は、運営メンバーの本気度でいかにいろんな人を巻き込めるかでした。これから、ずっと続く施策になりそうです!
ゲーム・エンターテイメント事業部(SGE)では、クリエイターやエンジニアが中心となり、本当に必要だと思う、スキルアップ施策やコンペティション、交流を目的とした取り組みを行っています。今後も、社員の要望にあわせた取り組みを積極的に行っていく予定です。