描くだけじゃない!?イラストレーターに必要な本当のスキルとは?

サイバーエージェントのゲーム・エンターテイメント事業部(SGE)は、子会社制をとっており、現在子会社12社が所属しています。子会社制をとりながら、子会社横断で実施したほうがいい施策やイベントは横軸で実施をしています。

クリエイターの施策は、アニメーション、シナリオ、3D、デザインやアートなどクリエイターの職種ごとにそれぞれ横軸のボード組織を創る、「ユニオン制度」があり、日々クリエイティブ課題をどう解決するか、組織で働くクリエイターのための施策は何か?を考え実行しています。

今回はその中のひとつ、アートユニオンの施策である、若手クリエイターのスキルアップを目的とした「Next Illustrators」の紹介をします!

「Next Illustrators」とは

ゲーム・エンターテイメント事業部(SGE)に所属する、若手クリエイターを中心とした各社から選抜されたメンバー12名が、「画力」、「発想力」、「思考力」を鍛えることを目的とした施策です。毎回テーマが設定され、そのテーマに合わせて、各々が「世界観」、「テイスト」、「キャラクター設定」、「ターゲットユーザー」を自由に設定し、完成までの目標時間を決めた上でイラスト1枚を毎月描いていきます。月一回講評会を開き、完成された絵に対して、チーフクリエイティブオフィサー(CCO)竹田よりフィードバックをしています。

なぜ、やろうと思ったのか。

子会社ごとに様々なジャンルのプロジェクトがあり、多くのイラストレーターが活躍しています。

アートユニオンのメンバーと組織課題について議論した時に、「各社の若手のイラストレーターが今後チームのコアメンバーとなって活躍するために成長角度がグッと上がる施策を作りたい。」という話から今回の施策をはじめることになりました。新規プロジェクトにおいて、コアとなる2Dアーティストに求められる能力は多岐にわたり、世界観、キャラクター設定のビジュアライズからその世界における文明、気候、生態系を策定したり、ターゲットユーザーに向けたテイストパターンニングに至るまで、思考し、創造するスキルが必要とされます。この施策をそういった「思考」の重要性を学べる場にしたいと考えています。

個性あふれるアウトプット

第1回目は、「太陽と月」をテーマに、実施をしました。

1人の女性で表現する人や2100年の近未来を舞台に詳細な世界観設定をして表現したり、太陽が月に重なって見える日食という現象を、太陽の女神と月の女神が触れ合った時に起きるという神秘的な設定にして表現する人など。同じテーマでも世界観、ターゲットユーザーもバラバラで個性あふれる作品ばかりでした。その中の一部を紹介します!

太陽の女神と月の女神が触れ合った時に日食が起きるという設定にし、表現。

月のような人なのに太陽のようなワンピースが似合う女性

太陽の火の髪をもつ子と月から落ちたウサギ。

第2回目のテーマは・・・

第2回目は、「時」がテーマに。

今回は、「構図」にも焦点をあてて制作してもらいました。今回もどんな作品が出てくるか楽しみだったのですが、こんな作品が。

砂時計の砂が降り積っていくのに目を奪われて、私は計っていた時間を忘れてうっとりしてしまう。

時が過ぎあらゆるものが朽ちていく中で、半永久的に働き続ける自動人形を描きました。

昔泣いていた場所に時が経って訪れた時、当時の辛さと今の清々しさが入り混じったような情景

普段描いているテイストと全く違うテイストの作品を提出する人もいて、こんな絵も描けるんだという新たな発見にもつながっています。

社内カフェにも展示

作品は、毎回全社員に共有するとともに、社内カフェにて、作品を展示しています。毎回社内のいろんな方が作品を楽しみにしてくれています。

全員で1枚の作品を完成させる

今までは月に1枚テーマに沿って1枚の作品を完成させていたのですが、イラストの制作フローを考えると工程を少し飛ばして制作をしていたため、工程ごとに着実にスキルアップしていける方法に変更をしました。1,2回を通して、参加メンバーのスキルやテイストをお互いに理解できたことも大きいです。

今後は、キャラクター設定と世界観設定をシナリオライターさんにかなり詳細に用意してもらい、それを元に、「キャラクターデザイン」、「レイアウト・構図設定」、「作画」の計3回の課題を通して1枚のイラストを仕上げていく形式に変更する予定です。毎回一番評価が良かった作品をベースとして、レイアウト、作画をしていくので、最終どういった作品ができるのか今から楽しみです!

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